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JAPAN ACH STUDY GROUP 日本ランゲルハンス細胞組織球症研究グループ

本サイトは、LCHの患者さんやご家族の方々と医師との意見・情報交換の場です。

第61回 最新学術情報

最近掲載されたLCH関連の論文抄録を紹介します。

1)「EBウイルス陽性炎症性濾胞性樹状細胞肉腫の診断における課題: 非常に多様な形態学的特徴および免疫表現型」

Challenges in the Diagnosis of Epstein-Barr Virus-positive Inflammatory Follicular Dendritic Cell Sarcoma: Extremely Wide Morphologic Spectrum and Immunophenotype.

Li Y, et al. Am J Surg Pathol. 2023 Apr 1;47(4):476-489.

EBウイルス陽性炎症性濾胞性樹状細胞肉腫(EBV陽性IFDCS)はまれで、その組織病理学的特徴は十分に説明されていない。誤診を避けることを目的として、この腫瘍の幅広い形態学的特徴と免疫表現型を分析した。EBV陽性IFDCSの13例を後方視的に分析すると伴に、文献で報告されている70例をレビューした。患者の年齢中央値は49歳(範囲:29~67歳)であった。6例が男性、7例が女性であった。ほとんどの例(92.3%、12/13例)は肝臓または脾臓に病変があり、肝脾以外の部位に病変があったのは1例のみ(肺、7.7%、1/13例)であった。腫瘍の様々な組織学的特徴について評価し、次の形態学的グループに分類した:古典型(53.8%、7/13例)、リンパ腫様亜型(38.5%、5/13例)、血管腫様亜型(7.7%、1/13例)。古典型では、束状または線条状に配列する独特なEBV陽性の腫瘍細胞、様々な程度のリンパ形質細胞浸潤、血管を認めた。リンパ腫様亜型では、EBV-encoded small RNA(EBERs)陽性の独特なEBV陽性腫瘍細胞が散在し、形質細胞様分化を伴う辺縁帯リンパ腫に類似した非常に顕著なリンパ形質細胞浸潤を認めた。血管腫様亜型では、ヒアリンおよび/またはフィブリノイド変性を伴う非常に顕著な血管、独特なEBV陽性腫瘍細胞の散在、少数のリンパ形質細胞浸潤を認めた。腫瘍細胞は、免疫組織化学的に、濾胞性樹状細胞マーカー(CD21、CD35、CD23、SSTR2)および線維芽細胞マーカーであるSMAに対し、非常に局所的なものから広範囲にわたるものまで、様々な程度の染色性を示した。EBV陽性腫瘍細胞数は80~400/HPFの範囲であった。全例で、PD-リガンド1(PD-L1)は様々な程度で発現していた(Combined Positive Score: 5-90)。IgG4陽性細胞は、ほとんどない例からから最大100/HPFの例まであった。興味深いことに、2例は以前の研究で提案されたIgG4関連疾患の基準を満たしていた。EBV陽性IFDCSは、非常に幅広い形態学的特徴と免疫表現型を示す。この稀な腫瘍の形態学的特徴が様々であること、特にリンパ腫様亜型と血管腫様亜型が存在することを認識することが正確な診断のために重要である。

2)「頭頸部のLCH:地方の三次施設での経験」

Langerhans Cell Histiocytosis of the Head and Neck: Experience at a Rural Tertiary Referral Center.

Schwartz TR, et al. Ann Otol Rhinol Laryngol. 2023 Apr;132(4):431-439.

【目的】地方の三次施設で頭頸部のLCHを後方視的に分析し、転帰を既報のデータと比較する。【方法】2003年~2019年の電子カルテを検索した。生検により診断された頭頸部原発のLCH患者を解析した。性別、年齢、症状、画像特性、治療法、診断遅延(60日以上)、転帰を分析した。【結果】24例を検討した。最も多い症状は、耳漏(6例)、頭皮の痛みまたは腫れ(6例)であった。全例に骨病変を認めた。最も多い病変部位は顔面骨または頭蓋骨であった(20例)。ほとんどの頭蓋骨病変(75%)はCNSリスク部位であった。初回治療は、6例が手術、15例が化学療法、3例が手術と補助化学療法であった。9例が再発し、再発までの期間の中央値は11.4か月であった。全例が救済化学療法で治療され、完全寛解に達した(追跡期間中央値:72か月)。多臓器型(5/7例、71.4%)、側頭骨病変(4/7例、57.1%)、診断遅延(7/12例、58.3%)の例は再発率が高かった。再発した計9例のうち、78%は診断遅延の例であった。【結論】LCHの臨床経過は多様であり、鑑別に挙げないと診断が遅れる可能性がある。頭頸部では、孤発性の側頭骨病変を含む頭蓋骨が最も多い。治療法は再発率に影響しないようである。再発は治療後1年目に発生する可能性が高く、綿密なモニタリングが必要である。

3)「頭蓋内原発Rosai-Dorfman病の外科的管理と転帰:単一施設での経験と個々の症例の分析」

Surgical management and outcome of primary intracranial Rosai-Dorfman disease: a single-institute experience and pooled analysis of individual patient data.

Zhang GJ, et al. Neurosurg Rev. 2023 Mar 27;46(1):76.

頭蓋内原発Rosai-Dorfman病(RDD)は、非悪性非腫瘍性疾患であると考えられているが、その希少性のために転帰は不明である。この研究は、頭蓋内原発RDD患者の画像所見、治療法、無増悪生存期間(PFS)を詳細に分析することを目的とした。当施設で病理学的に診断された頭蓋内原発RDD患者を調査した。7つのデータベース[Embase、PubMed、Cochrane database、Web of Science、Wanfang Data Knowledge Service Platform、the VIP Chinese Science and Technology Periodical Database (VIP)、および China National Knowledge Infrastructure (CNKI)]で2019年12月までに更新された頭蓋内原発RDDの文献を系統的に検索した。これらの既報の論文データは、Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses (PRISMA)ガイドラインに従って分析して用いた。画像所見とPFSを低下させる因子を当施設と文献の症例を合わせたコホートで評価した。当施設の11例と80件の先行研究の113例を含む124例(男性81例、女性43例)が評価対象となり平均年齢は39.7歳であった。29例(23.4%)には複数病変を認めた。74例(59.7%)が肉眼的全切除(GTR)、50例(40.3%)が部分切除を受け、15例(12.1%)が術後補助放射線療法、23例(18.5%)が術後ステロイド療法を受けた。多変量Cox回帰分析により、GTRがPFSを有意に改善し(HR=4.52; 95%CI 1.21-16.86; p=0.025)、複数病変が再発の危険性を高める傾向がある(p=0.060)ことが明らかとなった。放射線療法(p=0.258)もステロイド療法(p=0.386)もPFSとは関連していなかった。3年、5年、10年のPFSは、それぞれ88.4%、79.4%、70.6%であった。5年および10年のPFSは、GTR群ではそれぞれ85.4%、85.4%、部分切除群ではそれぞれ71.5%、35.8%であった。GTRはPFSを大幅に改善し、頭蓋内原発RDDに対して推奨される。部分切除、複数病変、再発の頭蓋内原発RDDに対して、放射線療法やステロイド療法が経験的に用いられることがあるが、有効性については議論の余地があり、さらなる研究が必要である。

4)「小児および成人のLCHにおける二次原発悪性腫瘍と原因別の死亡率」

Spectrum of second primary malignancies and cause-specific mortality in pediatric and adult langerhans cell histiocytosis.

Goyal G, et al. Leuk Res. 2023 Mar;126:107032.

LCHに標的治療が行えるようになり生存率が向上したことに伴い、二次原発性悪性腫瘍を含む原病以外の原因により晩期死亡する例が増加している。米国のLCH患者(2000~2016年)の二次原発性悪性腫瘍のパターンと原因別死亡率を評価するために、the Surveillance, Epidemiology, and End Results (SEER)データベースを使用した大規模な研究を実施した。そのコホートにおいて二次原発性悪性腫瘍のリスクが増加していることが判明した(標準化発生率[SIR] 2.07)。小児LCH群ではホジキンリンパ腫(SIR 60.93)および非ホジキンリンパ腫(SIR 60.88)の発症リスクが高かった。成人LCH群は、主に骨髄異形成症候群を含むさまざまな悪性疾患を発症するリスクが高かった(SIR 11.43)。成人では、LCH診断後2~11か月で外陰部上皮内癌を発症するリスクが高く[SIR 62.72]、60~119か月でB-ALLを発症するリスクが高かった[SIR 66.29]。さらに、LCH患者の5%がLCH発症前に、1%がLCHと同時に、悪性腫瘍を発症していた。5年全生存率は、小児LCH群で96.6%、成人LCH群で88.5%であった。最も一般的な死因は小児では感染症、成人では二次原発性悪性腫瘍であった。この研究から、治療法の進歩にも関わらず、LCH患者は二次原発性悪性腫瘍のリスクが高く、一般集団と比較して原病以外の原因による死亡リスクが高いことが明らかとなった。

5)「小児の多臓器型/多発骨型LCHの再発: JLSG-96/02 研究のデータ分析」

Relapses of multisystem/multifocal bone Langerhans cell histiocytosis in paediatric patients: Data analysis from the JLSG-96/02 study.

Sakamoto K, et al. Br J Haematol. 2023 Mar;200(6):769-775.

JLSG-96/02プロトコールによって治療を受けた小児LCH患者の再発パターンを評価した。JLSG-96/02研究に登録された計317例のうち、再発した101例(LCH診断時に多発骨[MFB]型31例、多臓器[MS]型70例)における187回の再発を分析した。LCHの再発は、活動性病変消失状態(NAD)後の増悪と定義した。317例のうち、101例(31.9%)が治療開始後1.5年後に最初の再発をきたした。最初の再発とその後の再発は、MFB型とMS型で差異はなかった。187回の再発のうち、159回(85%)は単一臓器型として再発し、孤発骨再発(104回、55%)が最も多かった。リスク臓器浸潤陽性MS型として再発する例は非常にまれであった。再発後、ほとんどの例が化学療法を受け(122/187; 65%)、そのうちの87%が再びNADに達した。不可逆的続発症の発生率は、再発のない例よりも再発した例の方が有意に高かった。JLSG コホートでは、MFB型とMS型の両者とも、骨再発が最も多かった。ほとんどの再発は、初回の化学療法を繰り返しが有効であった。

6)「小児LCHにおける臨床ゲノム関連性:国際コホート研究」

Clinicogenomic associations in childhood Langerhans cell histiocytosis: an international cohort study.

Kemps PG, et al. Blood Adv. 2023 Feb 28;7(4):664-679.

LCHは、CD1a陽性/CD207陽性の組織球に分化する造血前駆細胞の体細胞遺伝子変異によって引き起こされる稀な腫瘍性疾患である。LCHの臨床症状は非常に多様である。腫瘍性であるLCH細胞のドライバー変異の約80%をBRAFおよびMAP2K1変異が占める。しかし、それらの臨床的関連性は依然として完全には解明されていない。ここでは、少なくともBRAF V600E変異の有無が解析された377例の小児LCHの国際臨床ゲノム研究について述べる。MAPK経路の遺伝子の変異は300例(79.6%)で検出され、その内訳はBRAF V600Eが191例(50.7%)、MAP2K1変異が54例、BRAFエクソン12変異が39例、稀なBRAF変異が13例、ARAFまたはKRAS変異が3例であった。BRAF V600E変異は、診断時に低年齢、多臓器型、高リスク病型、皮膚病変と関連していた。さらに、BRAF V600E変異は、中枢神経系(CNS)リスク骨病変の頻度が高いことと関連しているようであった。対照的に、MAP2K1変異は単一臓器型骨LCH、BRAFエクソン12欠失は肺病変と関連しているようであった。BRAF V600Eはコホート全体では無イベント生存期間(EFS)の低下と相関していたが、患者を病型によって層別した場合、BRAF変異もMAP2K1変異もEFSとの関連はなかった。したがって、BRAF V600E変異が不良な臨床転帰と関連するのは、(主に)多臓器型LCHを含む、病変進行や再発率が高いことが知られている病型との関連によって引き起こされる。これらの所見は、LCHの顕著な臨床的多様性の根底にある要因についての我々の理解を前進させるが、病変部のBRAF V600E変異の有無が独立した予後因子となることに疑問を投げかけるものである。

7)「小児および若年成人のLCHの病型分類のための全身磁気共鳴画像法」

Whole-body magnetic resonance imaging for staging Langerhans cell histiocytosis in children and young adults.

Perrone A, et al. Pediatr Blood Cancer. 2023 Feb;70(2):e30064.

【はじめに】全身骨X線検査は、LCHの初発時の病型を決定するための標準的な画像手法である。全身MRI検査は、放射線を使用しない効果的な代替手段として提案されている。【方法】イタリアとオーストリアの3つの三次医療でLCH患者を前向きに追跡調査し評価した。2つの国家研究計画が独立して立案され、結果の精度を高めるためにデータを統合して解析した。全身骨X線検査と全身MRI検査を診断時に行い、同定された病変の経過を確認し、進展するかを評価するために追跡調査時に検査を繰り返し行った。【結果】67例のデータを解析した(イタリア52例、オーストリア15例)。全身骨X線検査で同定された病変に加え、全身MRI検査では14例に29個の骨病変がさらに同定された(2つの偽陽性病変を含む)。全身骨X線検査で検出されたが全身MRI検査では見逃された骨病変(偽陰性)は2つあった。病変あたりの感度率は、全身骨X線検査では78.6%(95%CI:71.0~85.9)、全身MRI検査では98.4%(95%CI:94.4~99.8)であった。全身MRI検査の所見に基づき、6例は全身骨X線検査による病型よりも高い病型に引き上げられた。【結論】全身MRI検査は全身骨X線検査と比較して骨格病変の検出率が有意に高かった。病型の引き上げや過剰治療を避けるには、臨床および放射線学の専門知識を必要とする。

8)「若年性黄色肉芽腫の画像所見の特徴」

Imaging features of juvenile xanthogranuloma.

Chen Y, et al. Pediatr Radiol. 2023 Feb;53(2):265-272.

【背景】若年性黄色肉芽腫(JXG)は小児のまれな疾患で、その画像所見の特徴に関する情報は少ない。【目的】小児のJXGのCTおよびMRI所見の特徴を分析すること。【症例と方法】2009年1月~2020年6月に、組織学的に診断されたJXGの臨床所見と画像所見を後方視的に分析した。【結果】14例(女児4例、男児10例、年齢:生後1日~13歳、平均73か月)を対象とし、14例中、4例はCTのみ、5例はMRIのみ、5例はCTとMRI検査を受けていた。皮膚外のJXGの病変部位として、皮下軟部組織(8/14例)、肝臓(2/14例)、肺(2/14例)、腎臓(2/14例)、鼻(2/14例)、膵臓(1/14例)、中枢神経系(1/14例)、大網(1/14例)に、主に単一または複数の結節や塊として病変を認めた。CTでは、病変は主に軽度~著明な造影効果を伴う低~等吸収の腫瘤を示した。MRIでは、病変は主にT1でわずかに高信号、T2でわずかに低信号を示し、拡散低下と均一な造影効果を認めた。いずれの例においても、JXGは画像診断の鑑別に含まれていなかった。【結論】JXGは、さまざまな臓器において単一または複数の結節または塊として認められることが多い。T1で軽度の高信号、T2で軽度の低信号の拡散低下と均一な造影効果を伴う腫瘤が、JXGの比較的特徴的な画像所見である。典型的な皮膚病変と特徴的な画像を見たときには、放射線科医はJXGを鑑別診断に含めるべきである。

9)「血清中の血管内皮増殖因子は、Erdheim-Chester病における心血管病変と治療反応性に関連する」

Serum vascular endothelial growth factor is associated with cardiovascular involvement and response to therapy in Erdheim-Chester disease.

Roeser A, et al. Haematologica. 2023 Feb 1;108(2):513-521.

Erdheim-Chester病(ECD)はまれな組織球症であり、炎症性骨髄性腫瘍と考えられている。この疾患において、なぜ特定の臓器に病変が形成されるのかは未だ明らかではない。血管内皮増殖因子-A (VEGF)は、がんの病態生理学に関与しており、RAS遺伝子の発がん性変異によりVEGF遺伝子の発現が亢進することが示されている。よって、VEGFがECDの病態生理に特別な役割を果たしているのではないかという仮説を立てた。血清VEGF(sVEGF)濃度がECD患者の臨床的特徴と関連しているか、VEGFが組織球に発現しているかを明らかにするために、単一施設で後方視的に研究を行った。247例のECD患者のうち53.4%はsVEGFが正常範囲(> 500 pg/mL)を超えていた。sVEGFが高い患者は、心臓および血管病変の頻度が高かった(それぞれ、58.3% vs. 41.4%, p=0.008および70.5% vs. 48.3%, p=0.0004)。未治療患者(135例)では、CRP>5 mg/LかつsVEGF>500 pg/mLは、血管病変と強く関連し(OR 5.54 [2.39-13.62, p<0.001])、BRAF V600E変異の有無を調整後、心臓病変と独立して関連していた(OR 3.18 [1.34-7.83, p=0.010])。治療によるsVEGFの変化は、心臓MRIでの心臓病変の治療反応と関連していた。分析した24例全ての病変組織において、細胞質内にVEGF発現している組織球を認め、90%以上は中程度から高度に発現していた。ECDにおいて心臓および血管病変にVEGFが関与していることを示唆している。

10)「LCHにおけるベムラフェニブの有効性と安全性:体系的レビューとメタ分析」

Efficacy and safety of vemurafenib in Langerhans cell histiocytosis (LCH): A systematic review and meta-analysis.

Mohapatra D, et al. Pediatr Hematol Oncol. 2023 Feb;40(1):86-97.

LCH患者のほぼ半数は、一次化学療法に不応または再発する。難治性/再発性LCHに対する理想的な治療法はまだ確立していない。この論文は、LCH、特に難治性/再発例に対するBRAF阻害剤であるベムラフェニブの有効性と安全性を判断することを目的とした。文献検索は、PubMed、Embase、CENTRAL、およびSIOP会議の抄録を用い行った。ベムラフェニブを単独または併用して治療されたLCH患者の転帰を記述した文献を対象とした。計416編の文献がスクリーニングされ、除外基準を適用した後、22編の研究(107症例)が最終分析に含まれた。ほとんどの症例(92例、86%)の第一選択治療はプレドニゾロンとビンブラスチンで、3例(3%)ではベムラフェニブが一次治療として開始されていた。ベムラフェニブによる最初の臨床反応までの期間の中央値は1週間であった。最良の反応が得られるまでの期間の中央値は5.25か月であった。107例のうち、62例(58%)は最終的に活動性病変の消失(NAD)、39例(36%)は活動性疾患の改善(ADB)と評価され、全奏効率(ORR)は101/107例(94.4%:CI 0.88~0.98)であった。ベムラフェニブの主な副作用は、発疹または光線過敏症(47%)、その他の皮膚有害事象(15%)であった。ベムラフェニブは、難治性LCHの治療において非常に有効かつ安全である。ただし、治療の開始時期と治療期間はまだ確立されていない。適切な治療期間と効果的な維持療法を明らかにするために、より大規模な前向き共同試験が必要である。