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JAPAN ACH STUDY GROUP 日本ランゲルハンス細胞組織球症研究グループ

本サイトは、LCHの患者さんやご家族の方々と医師との意見・情報交換の場です。

Special-C

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成人においては喫煙関連の肺LCHがよく知られており、禁煙指導のみで積極的な治療は行われないことが多い(Vassallo R, 2017)。しかし、成人においても多臓器型LCHが多くを占め、多発骨型や多臓器型に対しては化学療法が必要である(Aricò M, 2003)。成人LCHに対する化学療法の問題点として、成人LCH患者は、小児に比較してビンカアルカロイドの副作用が出やすい(Cantu MA, 2012)、急速に進行することは少ないため入院治療を拒むことが多いなどの問題がある。これら問題を解決するために、2002年から日本LCH研究会(JLSG)により開始された成人LCHに対する日本で初めての多施設共同パイロット研究がSpecial-Cである(Morimoto A, 2013)。

外来診療で治療が可能なJLSG-02の後期維持相の24週間の維持Cレジメン、すなわちビンブラスチン(VBL)/プレドニゾロン(PSL)⇔メソトレキセート(MTX)に6メルカプトプリン(6-MP)連日併用を、36週間に延長したレジメンを用いた。

患者背景

2002年6月~2010年11月に組織学的にLCHと診断された20歳以上の14例が登録された。病型は多臓器型10例、単一臓器型4例(多発骨型2例、皮膚型2例)であった。発症時年齢は中央値34歳(16-69歳)、Special-C開始時年齢は中央値40歳(20-70歳)で、発症からSpecial-C治療開始までの期間は中央値2.4年(0.1-32.7年)であった。6例はPSLによる治療を既に受けていた。Special-C開始時に、5例が中枢性尿崩症(CDI)を、1例が中枢神経変性症(ND)を合併していた。

治療成績

14例中13例がSpecial-C治療を完遂できた。1例は腫瘤内出血により死亡した。終了時に、4例の単一臓器型は全て活動性病変の消失(NAD)を得たが、多臓器型では2/10例がNAD、4/10例が部分奏功、2/10例が不変、1/10例が増悪であった。Special-C以降に受けた治療に伴う感染症により2例が死亡した。NADまたは部分奏功を得た10例中、5例が再発した。3年の全生存率は85.7%(95%CI 67.3-100)、無イベント生存率は28.6%(95%CI 0-57.2)であった。

Grade 4以上の有害事象として、好中球減少(grade 4)を2例に、出血(grade 5)を1例に認めた。

結果の総括

発症から治療開始までの時間経過が長く、既にCDIやNDを続発している例が多かった。外来で遂行可能なSpecial-Cレジメンは、単一臓器型および半数の多臓器型の成人LCHに対して有効であった。しかし、治療終了後の再発は少なくなかった。

後方視的検討による治療成績(Sato A, 2023)

日本で行われた成人LCHの後方視的全国調査では、148例の成人LCH患者が解析された。診断時年齢の中央値は46.5歳(20~87歳)であった。詳細な治療情報が得られた86例のうち、40例(46.5%)が単一臓器型、46例(53.5%)が多臓器型で、57例に化学療法が行われていた。このうち、36例(63%)でSpecial-Cレジメンが、10例(18%)でSpecial-Cよりも治療強度が高いシタラビン(Ara-C)レジメン(100 mg/m2 on days 1–5, every 4 weeks)が第一選択治療となっていた。レジメンの選択にバイアスがかかっている可能性があるため単純な比較は難しいが、Special-Cレジメンを受けた患者とAra-Cレジメンを受けた患者で、無イベント生存率に有意な差はなかった(Fig2)。

文献

  1. Aricò M, Girschikofsky M, Généreau T, Klersy C, McClain K, Grois N, Emile JF, Lukina E, De Juli E, Danesino C. Langerhans cell histiocytosis in adults. Report from the International Registry of the Histiocyte Society. Eur J Cancer. 2003; 39: 2341-2348.
  2. Cantu MA, Lupo PJ, Bilgi M, Hicks MJ, Allen CE, McClain KL. Optimal therapy for adults with Langerhans cell histiocytosis bone lesions. PLoS One. 2012; 7: e43257.
  3. Morimoto A, Shimazaki C, Takahashi S, Yoshikawa K, Nishimura R, Wakita H, Kobayashi Y, Kanegane H, Tojo A, Imamura T, Imashuku S; Japan LCH Study Group. Therapeutic outcome of multifocal Langerhans cell histiocytosis in adults treated with the Special C regimen formulated by the Japan LCH Study Group. Int J Hematol. 2013; 97: 103-108.
  4. Sato A, Kobayashi M, Yusa N, Ogawa M, Shimizu E, Kawamata T, Yokoyama K, Ota Y, Ichinohe T, Ohno H, Mori Y, Sakaida E, Kondo T, Imoto S, Nannya Y, Mitani K, Tojo A. Clinical and prognostic features of Langerhans cell histiocytosis in adults. Cancer Sci. 2023; 114: 3687-3697.
  5. Vassallo R, Harari S, Tazi A. Current understanding and management of pulmonary Langerhans cell histiocytosis. Thorax. 2017; 72: 937-945.