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JAPAN ACH STUDY GROUP 日本ランゲルハンス細胞組織球症研究グループ

本サイトは、LCHの患者さんやご家族の方々と医師との意見・情報交換の場です。

B-AMBITIOUS試験付随研究(ダブ/トラ観察研究 BW<26kg)

「再発・難治性組織球症に対するダブラフェニブ・トラメチニブの投与症例における前向き観察研究」

2023年11月、標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の組織球症に対し、分子標的薬であるBRAF阻害剤(タフィンラー®)とMEK阻害剤(メキニスト®)が承認されましたが、小児における適応はこれらの剤型(カプセル剤および錠剤)が服用可能な26㎏以上の症例のみとなっております。

しかし、小児の組織球症で最も多いランゲルハンス細胞組織球症(LCH)の多くは乳幼児期に発生します。このような年齢層で、BRAF阻害剤、MEK阻害剤による治療が必要な患者さんは、現在北海道大学病院において行われている患者申出療養制度を利用した研究、「BRAF V600変異陽性局所進行・転移性小児固形腫瘍に対するダブラフェニブ・トラメチニブの第II相試験」(B-AMBITIOUS試験)に参加、散剤・液剤での治療を受けることができる可能性があります。

この第II相試験では固形腫瘍で一般的に用いられるRECISTを用いた評価が行われますが、LCHを初めとした組織球症では独自の評価方法を用いる必要があるため、本第II相試験の付随研究として「再発・難治性組織球症に対するダブラフェニブ・トラメチニブの投与症例における前向き観察研究」という研究を立ち上げました(現在倫理審査中)。

以下に「再発・難治性組織球症に対するダブラフェニブ・トラメチニブの投与症例における前向き観察研究」の対象、方法、研究代表者、連絡先をお示しします。

本体研究である「BRAF V600 変異陽性局所進行・転移性小児固形腫瘍に対するダブラフェニブ・トラメチニブの第II相試験」の詳細は以下をご確認ください。

対象患者:適応症:生後12か月以上15歳以下のBRAF V600変異陽性進行・転移性組織球症患者で、本体研究である「BRAF V600変異陽性局所進行・転移性小児固形腫瘍に対するダブラフェニブ・トラメチニブの第II相試験」に登録された症例。

*以下に本体研究の選択基準および除外基準を示します。

選択基準

  • 1) 登録時の年齢が生後12か月以上15 歳以下
  • 2) 組織学診によって小児固形腫瘍(組織球症を含む)と確定診断されている。
  • 3) 我が国で保険適用済みの遺伝子パネル検査の結果、BRAF V600変異陽性と判明している。組織球症の場合はJCCG中央検査機関でBRAF V600Eと判明している。
  • 4) 切除不能(局所進行または転移性)で、標準治療がない、または標準治療に抵抗性である。
  • 5) ECOGのPerformance status (PS)が 0~2
  • 6) 登録日時点で抗癌医薬品(化学療法、分子標的療法、免疫療法、内分泌療法)の投与や脳以外の放射線治療を受けておらず、それらに伴う急性毒性が回復していること。
  • 7) 放射線療法の最終照射日から7日以上経過していること。
  • 8) 投与開始前14日以内の最新の検査値が以下のすべてを満たす。 ① 好中球数≧1,000/mm3 ② ヘグロビン≧8.0 g/dL(登録に用いた検査の採血日前 14日以内に輸血を行っていないこと ③ 血小板数≧7.5×104 / mm3 ④ 総ビリルビン≦ULN x 1.5 mg/dL ⑤ ALT(GPT)≦ULN x 3 IU/L ⑥ 血清クレアチニン値が年齢別に以下を満たすもの(5 歳未満:0.8 mg/dl 以下,5歳以上 10 歳未満:1.2 mg/dl 以下,10歳以上:1.5 mg/dl以下) ⑦ 心電図(ECG)測定 QTcF≦480 ms
  • 9) 研究参加について代諾者(親権者、後見人に準ずるもので、研究対象者の最善の益を図りうる者)から文書で同意が得られていること。7 歳以上については原則として研究対象者本人から、年齢に応じたアセント文書で同意取得を得られていること。

除外基準

  • 1) 活動性の重複がんを有する(同時性重複がん/多発がんおよび無病期間が5年以内の異時性重複がん/多発がん。ただし局所治療により治癒と判断される Carcinoma in situ上皮内癌や粘膜内癌相当の病変は活動性の重複がん/多発がんに含めない)
  • 2) 全身的治療を要する感染症を有する
  • 3) 登録時に38℃以上の発熱を有する
  • 4) 妊娠中、授乳中の女性
  • 5) ステロイド剤またはその他の免疫抑制剤の継続的な全身投与(内服または静脈内)を受けている
  • 6) ダブラフェニブメシル酸塩などのBRAF阻害薬、トラメチニブジメチルスルホキシド付加物などのMEK阻害剤を内服したことがある
  • 7) 併用禁止薬を使用している患者や試験中に併用禁止薬を使用する必要がある
  • 8) 登録前3 ヵ月以内に自家又は同種幹細胞移植を受けている
  • 9) インスリンの継続的使用による治療中、またはコントロール不良の糖尿病を合併している
  • 10) 登録前3ヶ月以内にうっ血性心不全の既往歴がある、またはうっ血性心不全を合併している。
  • 11) RASの活性化変異が確認された悪性腫瘍又はBRAF-KIAA1549などのBRAF融合を伴う悪性腫瘍の既往がある。
  • 12) B 型肝炎ウイルス又はC 型肝炎ウイルス感染の既往を有する。
  • 13) 網膜静脈閉塞症(RVO)又は中心性漿液性脈絡網膜症の既往を有するか現時点でこれらの所見が認められる
  • 14) 研究責任医師あるいは研究分担医師が不適格と考える

研究の方法

治療:研究薬ダブラフェニブメシル酸塩を、体重及び年齢に基づく用量で、1日2回経口投与する。研究薬トラメチニブジメチルスルホキシド付加物を、体重に基づく用量で、1日1回経口投与する。プロトコール治療中止基準のいずれかに該当するまで投与を繰り返す。

効果判定および安全性評価のため身体診察、画像検査、血液検査が研究施設で行われる。

(現時点では研究施設は北海道大学病院のみで実施。今後施設拡大も予定している)

研究代表者
北海道大学病院小児科 教授 真部 淳
住所:札幌市北区北14条西5丁目
電話:011-706-5954(小児科医局)
連絡先(研究事務局)
北海道大学病院小児科 医員 寺下友佳代
住所:札幌市北区北14条西5丁目
電話:011-706-5954(小児科医局)