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JAPAN ACH STUDY GROUP 日本ランゲルハンス細胞組織球症研究グループ

本サイトは、LCHの患者さんやご家族の方々と医師との意見・情報交換の場です。

ご寄付について

NPO法人 日本ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)研究会へのご寄付のお願い

日本LCH研究会(Japan LCH Study Group:JLSG)は、ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis, LCH)の疫学研究、病態研究、治療研究の推進を計ることを目的として、1996年に日本全国のLCH治療研究に関心のある小児科医が中心となり発足しました。このたび、これらをさらに推進し、希少疾患であるLCHを有し、情報不足に悩む患者家族に対し、全国規模の多施設共同治療研究事業の支援、ホームページや研修会を利用した最新の治療研究に関する情報提供、また、LCH患者会などの患者会活動の支援の他、基礎的研究への研究費提供に関する事業を行い、幅広く社会に寄与することを目的とし、NPO法人を設立しました。

LCHの治療は症例が少ないこともあって、1996年以前は各施設で独自に治療されており、治療研究に当たる主治医同志のコミュニケーションも少なく、一種のorphan diseaseとして組織的な疫学、病態、治療研究についての検討の場が十分でなく、LCHの患児が必ずしも適切な医療を受けているとはいえない状況にありました。1996年以来、JLSGが中心となって先ず小児LCHの多施設共同治療研究を推し進めてきました。その後、現在では成人のLCHについても多施設共同治療研究が模索されています。

これまでのJLSGの活動状況

(1) 治療研究

日本LCH研究会(JLSG)では、全国の疫学調査、多施設共同治療研究、それに付随する病態に関する基礎的共同研究を行い、年2-3回全国的な研究会を開催し、毎年秋に開催される組織球症の国際学会であるHistiocyte Societyでも研究成果を発表しています。

日本LCH研究会(JLSG)による全国多施設治療研究のためのJLSG-96プロトコールには91例が登録され、その治療成績は2006年にCancer (107: 613-619, 2006)に掲載され、欧米のプロトコールに比べ死亡率が極めて低いことが明らかとなりました。治療成績のデータ解析結果の一部は2008年のPediatric Blood & Cancer (50:931-2, 2008)にも掲載されました。JLSG-96プロトコールに登録され治療された患者様は引き続き、その後の経過を追跡中です。

2002年にはJLSG-96を改訂したJLSG-02プロトコールによる治療研究を開始し、300例以上の登録を得ました。その多臓器型の治療成績をJLSG-96のそれと比較検討し、2016年にInternational Journal of Hematology(104: 99-109, 2016)に発表しました。寛解導入療法の強化および治療期間の延長によって再発率は有意に低下しました。多発骨型の治療成績は2018年にInternational Journal of Hematologyに掲載されます。

小児のLCHがJLSGにより全国規模でのスタデイが可能になっている反面、成人LCH患者の疫学や治療内容、治療成績については長らく不明でした。2002年になって初めてJLSGにより成人LCHに対するパイロット研究を開始し、その結果を2013年のInternational Journal of Hematology(97: 103-108 2013)に報告しました。現在、成人LCHについて今後の治療研究を計画中です。

(2) 予後研究

JLSGではJLSG-96とJLSG-02に登録された症例の予後調査から、これまで小児LCHについて予想もしていなかった新しい晩期障害としての中枢神経系(CNS)の変性疾患がある確率で発症することを明らかにし、これらの症例の神経症状の進行を止めるために大量γグロブリン療法が有効であることを提唱しています。(Pediatric Blood & Cancer 50: 308-311, 2008; Haematologica 93: 615-618, 2008; International Journal of Hematology. 2015; 101: 191-197)

JLSG-96とJLSG-02に登録された症例の長期予後調査について、2013年の秋にワシントンで開かれたHistiocyte Societyおよび福岡で開かれた小児血液・がん学会の学術集会で報告しました。(Pediatric Blood & Cancer 61: 2140, 2014)JLSG-96および-02登録例の前向き長期観察研究を今後も継続します。

(3) 基礎研究

京都府立医大の石井先生ら、自治医大の翁先生らによるLCH患者様の血液検体を用いた生化学的な基礎研究や高知大学病理学教室の村上先生を中心としたLCH病変検体を用いた基礎研究が行われてきました。その結果は2006年にPediatric Blood & Cancer (47: 194-199, 2006)、2014年と2017年のCytokine(70: 194-197, 2014; 97:73-79, 2017)に掲載され、LCHの病勢を反映する新たな生化学マーカーとなることを日本から世界に発信しました。また、2011年にVirchow Archives (459: 227-234. 2011) にSHP-1発現との関連を、2014年にHuman Pathology(45: 119-126. 2014)にMerkel cell polyomavirusとの関連を報告しました。

(4) 広報活動

JLSGではLCHという稀な疾患について患者さまのご家族やLCHの治療に携わる医療従事者の参考にして頂くために2005年にホームページ(http://www.jlsg.jp/)を開き、疾患の解説や論文紹介、セカンドオピニオンの案内を行っています。そのアクセス数は年々増加し、2016年には年間6万件を超えました。

ホームページアクセス数

また、希少・難治性疾患克服を目指す国際会議(ICORD)の活動にも参加してきました。

さらに、LCHのこどもさんを持つご両親やご本人がLCHに罹患された患者さま達の連絡会を兼ねたLCH患者会の催しに協力し、毎年、全国患者会を開催しています。

LCHという疾患があまりにも稀な疾患であるため、このような稀な病気の治療研究に関わる費用を捻出することは大きな困難を伴います。国際的なHistiocyte Societyの研究活動や学術集会開催費用も米国やヨーロッパを中心とした寄付活動で賄われています。

JLSGのこれまでの活動は幸いにも趣旨に賛同頂いた方々からのご寄付に支えられてきましたが、従来にもまして事業量が増えており、これらの治療研究をスムースに継続し、LCHの患者さまによりよい治療と予後を約束するための活動の意義にご理解、ご賛同を頂き、ご寄付を頂ければ幸いです。

平成30年4月 吉日

NPO法人 日本ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)研究会
理事長  今宿晋作

お問い合わせ先

NPO法人 日本ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)研究会 事務局
〒602-8566 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465
京都府立医科大学小児科学教室内
TEL:075-251-5571 FAX:075-252-1399

寄付金のお振込先

京都銀行 出町支店 (店番 144)
普通口座 口座番号:3717971
口座名義 NPO法人 日本ランゲルハンス細胞組織球症研究会